コラム 一口馬主と馬券の話
馬券好きがこうじて、一口馬主をはじめる人もいると思う。
今回は、馬券好きだった僕が一口馬主になって生じた変化について書いてみたい。
一口をはじめるまで毎月3万〜5万円くらい馬券を買う、ライトな競馬ファンだった。運良く勝てば、パーっと散財し、負けたら反省会と称して、呑んで愚痴を言う。そんな馬券の付き合い方だから、馬券予算はキチンと消化してきた。
一口馬主をはじめると、ある変化が起きてしまった。そう、自分の出資馬以外に興味がなくなってしまったのだ。
それと同時に、競馬予想が信じられなくなってきた。出資者が、レース振りや調整過程などから、今回はチャンスなしかなぁと思う場合でも、厚い印がつくこともあれば、その逆もしかり。
そんな時、馬券名人である岡田牧雄さんのことを思い出した。彼は、全レースのパドックとレース自体を見た上で馬券を買っていると。その時、自分がなかなか勝てないことに納得し、自分には岡田プロセスは、できないと痛感した。せめて自分に出来るのは、出資馬のフォローくらいだと。だから、その時から、馬券は自分の出資馬以外は、付き合い程度になってしまった。
でも、馬券のヒリヒリ感を味わいたいという気持ちも捨て切れなかった。
そこで、毎月使っていた馬券予算を積み立てて、一口出資用にプールし始めた。
これが、意外に楽しめる。馬券を購入したつもりで、出資金をなかったことにするだけで、出資馬が走ったら配当というお小遣いが入ってくる。家族で出資馬の応援をして、勝ったらささやかな祝勝会を開く。また、新しい楽しみ方ができた。
でも、500口だと、未勝利を勝っても家族の夕食代は配当から捻出できないから、複数口を申し込むよう心がけている。