一口馬主 四方山話 【収支優先】

弱小一口馬主の日常を日記代わりに。たまに馬券のお話。但し、騎手と調教師に関するコメントは書きません。500口に出資する零細一口馬主の立場からの発信です

コラム アーモンドアイの心臓の話

最初に断っておきたい。私は獣医でも、スポーツ生理学の専門家でもない、この記事には科学的な根拠はないことを。

 

JCと桜花賞を見て、アーモンドアイって大きな心臓を持っているのだなと確信した。思い出してほしい。両レースとも馬なりで進出し、最後の一押しで2着馬に差をつけてゴールしている。しかも、全力で追うことなく。この前のコラムにも書いたが、馬が全力を出すと多くの場合、耳を後方に絞る。JCの決勝線の写真はキセキとのコンストラクトが明確である。死力を尽くしたキセキの耳に比べ、アーモンドアイの耳は前方にあるから。(桜花賞も事例に入れたのは、JCの斤量が軽かったからという意見もあるので)

 

そんなレースが出来るのは、大きな心臓のおかげだと思う。心臓のサイズが大きければ、1拍あたりの血液の拍出量は当然大きくなる。強度の高い運動をすると全身の筋肉の酸素需要が増加し、脈が速くなり息が乱れる。拍出量が多いと多い分だけ、同じ酸素需要の条件下では、心拍数が上昇する速度が穏やかになる。

運動時に発揮するパワーが最大化されるのは、その固体が持つ心臓の最大心拍数に達したとき。だって、それ以上酸素を供給できないから筋肉の出力は上がらないよね。人間の場合、最大心拍数の80%を超えるとその運動は有酸素から無酸素に切り替わる。無酸素になると筋肉に供給する酸素が血液中のものに限定されるから、残りの無酸素領域の運動時間も限定されることになる(一回息を入れて有酸素状態にするまで回復しない)。人間は400mまでの短距離では、競技中呼吸をしないのよ(それ以上の距離は無理)。

追い出し後の走りは、無酸素領域の運動。(記事が見つかってラッキー)

http://www.jrdb.com/g-men/g-men.html

 

何が言いたいかというと、アーモンドアイは追い出さなくても、他馬の全力状態に近い出力(スピード)を出せる馬だということ。それはつまり、心拍数に左右される無酸素運動有酸素運動閾値(AT閾値)における出力(スピード)が高いということ。言い換えると、AT閾値における酸素供給量が他馬に比べて高いことになる(閾値には個体差がつきにくい)。はっきり言おう心臓のサイズが大きいのだ。

 

心臓が大きいから、他馬が無酸素領域で出せる出力(スピード)を有酸素領域での上限付近で出すことが出来る。競馬用語でいうとステイをしているときのスピードが高いということになる。追走にパワーを使わなくてもすむから、脚が残った状態になり最後の爆発力につながっていると考える。そういえば、昔ムーアが言っていた。ウオッカの強さの秘密はステイ時のスピード上限が高いことだと。

 

大きい心臓の遺伝子は、カナロア(厳密に言うとレディブラッサム)からきたのだろうか?それともパンドラからきたのだろうか?

僕は、カナロアから来ていると信じたい。だって、彼の母系を辿るとセクレタリアートに辿り着く。セクレタリアートは他馬の2倍のサイズの心臓を持っていることで有名な馬だから。

 

クレタリアートが樹立した大レコード、ダート2400m 2分24秒0はまだ破られない世界レコード。アーモンドアイが出した2分20秒6も、当分破られることのないunbreakable

なものだから.。