コラム 回収率300%の壁 クラブ選びのヒント
本日は、回収率300%(確実に収支がプラスになる回収率)を達成した各クラブの現役馬の比率からお勧めクラブを考察します。
なぜ回収率?
獲得賞金額であるいは、一口あたり獲得賞金額や、一口賞金から出資金を引いたいわゆる金額という絶対値を指標として用いず、回収率にした理由を書きたいと思う。
1.一口は10年単位で行う趣味だから
→ 一発目で当たりが引けて、引退とともに退会なんて都合よくいきません
2.複数の馬に出資した場合、出資金額の高低によらないので、分析しやすい
3.率を指標にすることで、結果的に高額馬の出資意欲が低減
何故300%?
100%の壁は出資時の出資金を回収できること・・・出資金回収の壁
200%の壁は獲得賞金分配にかかわる諸経費(各種進上金、源泉(クラブ・愛馬法人)、手数料)を考慮して出資金回収ができること。
つまり、獲得賞金の50%強(シルクの場合)を口数で分配するため、総募集3000万の馬であれば、6000万を稼いではじめて手取りで出資金を全額回収可能となる。
→一口馬主は常に200%の壁を意識すべし
300%の壁は上記に加え、会費、保険代金、維持管理費用(カイバ代)を支払っても出資金が全額手元に残る目安。これを超える馬を所有して初めて、JRAからのお小遣いが貰えることに。
社台系クラブで12月3日時点における回収率300%以上の馬の頭数(%)
一口馬主DB調べ
以下 クラブ名、時点での現役馬数、300%以上数(%)
サンデー 207頭、22頭、300%以上比率10.6%
キャロット 189頭、19頭、300%以上比率10.1%
シルク 170頭、16頭、300%以上比率9.4%
社台 165頭、8頭、300%以上比率4.8%
G1 87頭、6頭、300%以上比率6.9%
ほぼ、イメージ通りか?
しかし、いくらいい成績のクラブでも、クラブ内争奪戦が厳しいと好きな馬に出資することがかなわない。サンデーの高額実績、キャロットの×を勘案すると、取りにくくなったとはいえシルクはいいクラブかもしれない。また、40口が許されるのであればG1はねらい目。
→次回は、長打率を検討したいと思う。
【あくまで私見】 POGと一口馬主の大きな違い①
僕は勿論両方とも体験している(現在は一口のみ)。何が違うのかあくまで私見を書いていきたい。
注)POGファンの方の中で気分を害される方もいらっしゃるかもしれません予めご了承ください
ドラフト時の相違点
一口馬主で一番楽しいのは、なんと言っても1歳馬のドラフト。POGでも同様だと思いますが、実際の身銭を切る行為は、仮想のものとでは全く重みが違う。だって、翌月にきっちり出資金を請求されるから。零細馬主だと、出資金引き落としのための資金繰りを3-4ヶ月前からしていたりする(笑)。
POGは集計期間終了後に精算だから、負担が未確定だし、駄目なシーズンは全く楽しめない。一口馬主は競争人生の期間に対する出資なので、集計期間が終わっても、むしろそこからが本番。
アーモンドアイとワグネリアン
秋競馬でも大活躍したアーモンドアイ号、年度代表馬も見えていますよね。しかし、POG(ダービー時)での獲得賞金だとダービーを制したワグネリアン号とほとんど変わらないのです。付加賞込みの賞金では31,341万円と30,612万円。ゲームとはいえその後の活躍を見ると少々理不尽ですね。POGは、馬肥ゆる秋競馬や古馬の高額賞金レースの反映がなされないゲームなので、そのあたりは競馬の本質的なものと少し離れているのかなと感じます。だって、ステルヴィオのPOGオーナーは複雑な気分だよね、一口オーナーは秋の成長を心底喜んでいるのに比べてね。
競争人生中の楽しみと義務
一口馬主は、その馬が競争人生を送っている間、口数分だけ管理費用を負う義務があります。当然のことだけど、馬を選ぶ基準もPOGとは異なるのですよ。「無事是名馬」が一番。丈夫でコツコツ1000万条件で勝ち負けできる馬を選べるかが一口の馬選びの基準となります(収支優先だと)。出資馬の頑張りと成長を見るのは、子育てに似ている楽しみかもしれません。
だから、自分の出資馬がクラッシック路線に乗りそうになると、嬉しさよりも心配になってしまいます。過去にロードフェリーチェという馬に出資したことがあります。僅差でシンザン記念の2着になったハービンジャー産駒です。その後、あと一歩の出走権のために春のシーズンを使いました。しかし、燃え尽きたのか3歳春の輝きを取り戻せないまま引退してしまいました。
今年も、アルモニカが小さい体で春のシーズンを頑張りました。立て直しが上手くいくかが少々、心配です。クラシックまであと一歩の馬を持ったとき素直に喜べるのがPOG、心配が先に立つのが一口馬主といっては言い過ぎでしょうか。
長くなりましたので、後編はまた